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DMP徒然草

No.79【 守・破・離の原則で人材育成する 】

2021.01.20

この年末年始は遠出せず、自宅でのんびりと過ごした。

ゴロゴロしながら、録画しておいた興味のあるTV番組の録画を気の向くまま見て過ごした。

毎年この時期は、その年視聴率の高かった人気ドラマを一気に見せる番組が多くなる。

 

『逃げるは恥だが役に立つ』

『私の家政婦ナギサさん』はやっぱり面白かった。

 

40代までは、仕事での多忙&読書の時間をとるため、

この手のドラマは、名前は知っていても見ることはほとんどなかった。

 

ただ、50代になり、研修担当中、いわゆる世代ギャップを感じることが多くなった。

 

研修は、多くの皆さんが緊張して取り組む。スポーツと同じで、過度の緊張感から良き効果は

生まれない。

緊張しすぎている、真面目に取り組んでいるふりをしていると感じた時は、あえて砕けた話をして

皆さんの雰囲気を和らげるようにしている。

ところが、TV番組やタレントの話を例えに、展開しようとしても、私の世代のものとのギャップが

あり、そのドラマや映画、タレントを知らないケースも多く、話が噛み合わないことが・・・。

 

そこで、少しは最近のものを見ようかと、数年前から見るようになった。

 

『半沢直樹1』や『陸王』など連続ドラマを見ると、これが面白く結構ハマる。

 *特に、♪井川 遥さん♪が出ているのは欠かせません!(笑)

 

こうしたドラマの中には、最近の若い人のトレンド、仕事や生活の意識も当然出てくるから、

受講下さる皆さんの意識調査の参考にもなる。

なにより、TV衰退期なだけに、各局とも結構力を入れて面白くしようと制作しているのだろう。

続けて見ると、単純に面白いものが結構多い。

 

年末に、キムタク主演のドラマ『教場Ⅰ』(前編・後編)を見た。

正月にこのパート2が放映されるためであった。

 

この『教場』は、休暇モードだった脳を一気に仕事モードに切り替えるものとなった。

それは・・・・。

 

このドラマは、キムタクのカッコ良さを全面に出し、それを売り物にしている過去の

キムタクドラマとは、随分違った。

 

もちろん、キムタクはカッコいい。

しかし、私の脳を覚醒させたのは、

この中には、教育の原理原則と本質、教育者(上司・教える側)の大切な人としてのありようが

描かれていたからだ。

 

◆ドラマ『教場』に見る教育の基本と本質

 

『教場』をご覧になったことがない方は、下記のドラマCM特別ダイジェストを見て頂くと

私がお伝えしたいことのイメージは持って頂けるかと思う。

 

https://gyao.yahoo.co.jp/title/%E6%95%99%E5%A0%B4%20%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88/5fd81d30-7104-4744-a594-7a8015551dc1

 

 

このダイジェスト版にも出てくるように、警察官としての基本行動を徹底して教練する場面が

度々登場する。

 

・大きな発声での返事・点呼

・警察手帳の素早い提示

・警棒を素早く出し、素早く仕舞う

・教官への報告・復唱

・隊列を乱さない行進や声を揃えての掛け声

などなど。

 

ドラマを見ながら、35年前、大師匠皆川の元での修行時代を思い出していた。

 

皆川の経歴の原点は、陸軍士官学校卒の元職業軍人。

 

私を育てる初期に、よく言っていたのは、「初年兵教育の大切さ」である

そして、「早矢仕、お前もDMPの初年兵だ。だから、基本を徹底的に身体化する」

だから、基本動作は、「心手気せずして行えるようになれ!」

 

例えば、「ハイ!」と返事をしたら、同時に右手が真っ直ぐ美しく挙手する、

このように、「考えなくても身体が自然にそう反応するように行うこと」と教えられた。

 

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2月10日の経営者セミナーでは、この『教場』の事例を入り口に、

自ら考え、自ら動く「自走式社員」の育て方について、

掘り下げ、お伝えする予定です!

 

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ところ:オンライン会場(前日に参加URLをお送りします)

参加費:1万円(1人)

 

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https://dmp-hayashi.jp/seminar.html

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◆「守・破・離」の原理

 

「守・破・離」とは、武道や芸能などの世界で良く使われる言葉で、 修行における段階を示したもの。

 

◇「守」

師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。

指導者の話を守り、その行動を見習って、指導者の価値観を自分のものにしていく。

 すべてを習得できたと感じるまでは、指導者の指導の通り行動する。

 

◇「破」

他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。

指導者の話しを守るだけではなく、自分独自に工夫して、破る行為をしてみる。

 

◇「離」

一つの流派から離れ、独自の新しい価値やスタイルを生み出し確立させる独創の段階。

守破離のプロセスを易しく言うなら、

まず、マネをして、次に自分のオリジナルを混ぜてみて、最後に、新しいもの(独創)を

つくっていくということ。

 

◆『教場』でキムタク演じる教官「風間公親」達は、なぜ生徒に基本行動を徹底させるのか?

 

それは、

 

1)事件・事故に遭遇しても、自分の命を守り、市民の命を守るために不可欠であるから。

 

2)基本行動を習慣化するには、「注意力」「集中力」「自分の身体を意志でコントロールする力」

  が必須で、これは、警官として早く一人前になるために不可欠な能力である。

            

3)市民に役立つ働きをし、警官の仕事の重要性、誰かを助けることに役立てる仕事のやりがい、

  自己成長感を味わってもらうために不可欠な要素である。

 

4)基本ができないと、自分で考え、判断し、行動してもピントのずれた時に、

  危険なことになってしまう。

 

などが理由である。

 

◆あなた自身、そして部下、貴社の仲間の基本の徹底、守破離は如何だろうか?

 

上記のことは、そのまま企業での人材育成(部下育成)にあてはまる原理である。

 

強い会社ほど、基本を徹底し、習慣化している社員の割合が多い。

そして、それを定着させるために、指導し続ける、力のあるリーダーが必ずいる。

 

基本の重要性と習慣化の大変さがわかっていて、

一方で、基本は気を緩めるとすぐに崩れることも知っている。

 

基本を習慣化させるのは、至難の業である。

 

だから、日頃から現場に出て、「うるさく・こまかく・しつこく」言い続け、嫌われようと

やらせるリーダーが必ずいる。トヨタの現場も例外ではない。

 

あなたの職場の現状は、どうであろうか?

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