No.71【 雨ニモマケズ 】
2020.11.11
第69回 【初期教育の質が・・・ 】で述べた、青年社員研修を通じての教訓も
その一つ。
企業人としての初期の教育レベルは、まっとうな親や幼稚園(保育園)の先生が教える
しつけ(躾)レベルのことができたら、60点は取れるだろう。
先々週の「掃除での気づき」もシンプルなこと。
「今日一日、”ただ今”」の足元の実践の中に、人生の大事な一歩があり、
それを行わずして何事もならないし、良き人生・仕事など望んではならないと
思う。
古(いにしえ)よりの
「一大事とは、ただ今なり」
「大事の前の小事」
とは、そうした教えであろう。
そんなことを考えていたら、お笑い系のあるTV番組で、
宮沢賢治の『雨ニモマケズ』をタレントが暗記する場面を見た。
『雨ニモマケズ』を唱和するシーンで、画面に文面も流れた。
◆『雨ニモマケズ』 宮沢賢治(*原文のまま)
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ䕃ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
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シンプルな言葉で綴られたフレーズ。
シンプルなだけに、混ざりっけなしで、心の奥底に届く。
「そんな人に私もなりたい。
そんな人になることを目指してトボトボ歩んで行こう」
そう感じた。
お笑い番組だったのに・・・。心が震えた。
◆若き時の賢治、そして今
学生の頃、宮沢賢治にハマった時期があった。
『銀河鉄道の夜』、『セロ弾きのゴーシュ』、『注文の多い料理店』、『よだかの星』、
『風の又三郎』・・・当時は、子供向けの児童文学の面白いお話、と捉えて
読んだような記憶がある。
秋の夜長、
「久しぶりに賢治を読んでみよう!」
仏教の「慈悲の心」をベースに書かれたものが多いそれらの作品は、
大人になった今、どんなふうに響いてくるだろうか?
楽しみである。