No.56【ピンチの時こそ、リーダーの言葉の力が試される】 ~「新型コロナウイルスによる気づきと学び」その5 ~
2020.07.08
大師匠 皆川は、陸軍士官学校出身の元職業軍人だった。
戦いの原則を経営に置き換え、様々な組織やリーダーシップの
原則を教えて頂いた。
その中で、度々師匠が引用し、語った中に、
『危急存亡の秋(とき)に際会するや、
部下は仰いでその将帥に注目する。』
<旧日本軍の将校育成の教本
『統帥綱領』https://www.heihou.com/page_7-20.htm>
がある。
「組織が、大ピンチになった時、社員(部下)は、社長(リーダー)の
一挙手一投足に注目する。」
といった意味である。
前回、
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◆政治家
各都道府県知事のTVに映る対応に
その人のリーダーシップ・スタイルが現れた。
特に、リーダーに不可欠な力、説明責任能力(アカウンタビリティー)が
明らかに。
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と述べた。そして、安倍首相の対応のことも。
これを述べた背景に、上記の「統帥綱領」の教えがある。
◆危急存亡の時こそ、リーダーの言葉に、思想・哲学、生きざま、人格が表れる
〜『ニューヨーク州 クオモ知事』の言霊(ことだま)〜
日本の政治家と違って、クオモ州知事は毎日定例記者会見を行った。
「自分の職務を非常に重く受け止めている。
言い訳はしない。
失敗があれば、私の失敗だ。
事態が崩壊したりうまくいかなかったりすれば、私の責任だ。
毎日、死者数を見ながら責任を痛感している」
1)何事にも動じない冷静さと
全責任は自分が負うとの肚の決まり、そして一貫性
2)誠実な飾らない言葉で、ニューヨーク州民と向き合う、
人柄や人間味あふれるメッセージ
3)データに基づいた客観的、論理的、的確な判断とオープンな情報開示
非常事態の時に、冷静沈着な態度で、
「全ての責任は私がとる」
と断言する「リーダーの言葉、ありよう」ほど、
民衆(社員や部下)を安心させ、信頼を感じさせることはない。
「このリーダーなら安心できる。大丈夫!
信頼しよう。ついていこう・・・」とメンバーは感じる。
◆肉親のときでさえ、
「弟、クリス・クオモ(CNNアンカー)が、
新型コロナウイルス検査で陽性となった」
こう語った時も表情一つ変えず、彼は沈着冷静だった。
「我々はタフだ。ニューヨークもタフだ。
この街は良い意味で私たちをタフにしてくれる。
我々は、これを乗り切る。
なぜなら、私はニューヨークを愛していて、
ニューヨークはあなたたちすべてを愛しているからだ。
黒人も白人も褐色人種もアジア人も、
背の低い人も高い人もゲイもストレートも、
ニューヨークはみんなを愛している。
だから、私はニューヨークを愛しているのだ。
長い一日でも、最後には愛が勝つ。
必ず。だからウイルスにも必ず勝つ」
このまま、ポエムの一文にしても遜色ないフレーズである。
彼の人気が全米で高まり、「大統領選挙に・・・」云々いわれるの
もうなずける。
人のせいにする責任転嫁発言、後付の正当化、
自己中心・自国中心の我欲が感じられる言動、
その場しのぎの場当たり的な発言・・・が多い、
トランプ大統領とは、リーダーシップの次元が違う。
その違いは、おそらく、「なんのために、政治家をやっているのか?」
目的や使命感・つまりは「志」の違いであろう。
◆言霊(ことだま)
DMPでは、言力(げんりょく)といっている。
DMPの造語である。
言葉は、単なる音ではない。
「意志であり、想いであり、その波動である。」
日本では、『万葉集』に
「大和(やまと)は言霊(ことだま)の幸(さき)はふ国」
とある。
西洋では『新約聖書』に、
「はじめに言葉ありき。
言葉は神とともにあり。
言葉は神なりき。
よろずのもの、これによりて成る。」
(「ヨハネによる福音書」の冒頭)
古来より、言葉はいわば、神さま(宇宙)からの教え・想いの波動を
人間のカラダを通じて伝える道具(ツール)として、
人間だけに神さまは与えられたようだ。
◆一つの言葉で・・・
「一つの言葉でけんかして
一つの言葉で仲直り
一つの言葉で頭が下がり
一つの言葉で心が痛む
一つの言葉で楽しく笑い
一つの言葉で泣かされる
一つの言葉はそれぞれに
一つの心をもっている」
(作者不明)
小生も「一つの言葉」で周囲の人を傷つけ、
時に大切なものを失ってきた。トホホ。。。
一方、研修を通じて、受講者に少しは気づきを提供できたかも?
でも、後悔している言葉の方が圧倒的に多いです(汗)
はてさて、あなたの言葉の力(言力・言霊)は、如何でしょうか??
周囲の人にプラスの心・エネルギーを伝える言力を
今日から練習してみようではありませんか!