No.18【散歩随想 ~その1~】
2018.11.28
『晩秋:散歩随想:1』
心を鎮めたくて、
麓まで夜の山道を往復した。
懐中電灯の光は弱く、
遠くまでは届かない。
足元だけを照らし、
トボトボ歩いた。
月影が自分の姿を映していた。
昼間は、遠く、長く感じる
随願寺へ往復の道。
いつの間にか帰り着いていた。
ふと
「一燈を提げて暗夜を行く。
暗夜を憂うること勿れ、
只一燈を頼め。」
(佐藤一斎の『言志四録』)が脳裏に浮かんだ。
若き日に 師匠に教わった言葉だった。
心を乱し、迷い、
自分がわからなくなっていた
この数年の自分。
仏様が計らって下さった
夜の散歩だった。
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『晩秋:散歩随想:2』
コンビニに近道をしようと、
ショートカットの道を進んだ。
狭い路地の先は、
行き止まり。
元の道まで、一度戻ればいい。
急いで歩いた先に、
何が待っているのか?
行き止まりになって、
初めて気づき、学ぶこともある。
ふとそう思った。
きっと人生も同じ。
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『晩秋:散歩随想:3』
訓練会場への山道。
いつもは杖を使わない。
その時は、なんとなく、
杖を使ってみようと思った。
杖があったほうが
断然、ラクに登れた。
支えてくれる仲間が、
側にいてくれるのに、
弱い自分を受け入れることができず、
未熟と思われるのが嫌で、
強がり、意地を張って、
ますます迷いの渦に入り、
疲れる生き方をしていたなあー
そんな自分に気づいた夜の散歩。