No.132 【「あのおかげで今がある」と言える人生にしたら失敗などない 】
2022.04.27
◆「基本の習慣が、日々の結果を生み出している」~A社長の話~
トップクラスを受講して下さったA社長。50代前半のベテラン経営者。
しかし、会社は儲かっておらず、資金繰りも厳しい様子。そんな中で、自分を変えたいと受講を決意された。
研修の中で、会社の厳しい現実を生み出している真因らしきものがいくつも出てきた。
一言で言えば、A社長には、ビジネスの基本習慣がほとんど身についていないまま今日まできている様子。
・人の話を正しく聞く力
・理解できなかったら、質問、確認すること
・すぐ、メモをする習慣
・TO DOリストをつくり、日々チェックする習慣
・先送りにせず、すぐやる習慣
・新聞や本を読み、知識や教養を身につける習慣
・誤りに気づき、「申し訳ありません。」と言うなら、以後の行動を変える努力をすること
など・・・。
理念やビジョンは、かっこよく、魅力的な表現をしているものの、日々の行動や、会社の実態は、それとはかけ離れた現実が起きている。
「足元の基本実践を習慣化できていないことが、会社が儲からないことの真因との自覚はなかった様子。
Aさんには、トップクラスの修了証書を差し上げず、彼の師匠にあたる人に、お預けし、「Aさんに基本が身についたとご判断されたら差し上げて下さい」と託けた。
ショックだったことだろう。
最終夜、クラスの仲間が友情を注ぎ、Aさんは最終日、思った以上に明るい表情で迎えていた。
「Aさん、数年先に、あの時、修了証書をもらえなかったおかげで“今”がある、と言える経営・人生にしたら、この体験は成功の種になると思いますよ。そうできるか否かは、今からあなたが、どんな習慣を身につけるか?によって決まります」
とお伝えした。
◆できごとを自分の人生のストーリーの中で位置づける
経営にも人生にも、「大きな失敗」を犯してしまうこと、「できれば人生のページから消したい」と思うような恥ずかしいことをやってしまうこと、「なんで私が・・・」と思うような病気や天変地異などの理不尽な出来事に見舞われることもある。
情けない気持ち、不安な気持ち、やる気が出ず、心が萎える時もある。
苦しい時、悲しい時、寂しい時、全てを投げ出したい時もある。
そんな時は、「このできごとは、自分の人生のストーリーの中で、どんな意味・位置づけになるのだろうか?」「このあと、どんな展開につながるできごとだろうか?」と自分の人生の一場面として、
観客の目でストーリーを眺めてみる。
この苦しい局面、今はとりあえず、しのぐ・耐える。なんとか切り抜け、立ち上がり生きてゆく。
それって、かっこいい、感動のストーリーになるんじゃない?
感動する映画や小説は、逆境や悲劇、苦労があるからこそ、後半盛り上がるんだし・・・。
人は、痛みを伴う失敗、理不尽な体験など、思うようにならないことを体験したときこそ、
己を見つめ直し、体感・体得レベルの学びを得る。
心の持ちよう、考え方、日々の行動習慣を変えていこうとする。
嵐の吹かない平穏のストーリーからは、なかなか学べない。
七転び八起き、波乱万丈の中にこそ、人生のおもしろさ、楽しさがある。
どんなに失敗しようと、やらかそうと、辛い体験だろうと、それから学び、行動を変え、
「あのことのおかげで“今”がある」
そう思える人生にしたら、失敗など存在しない。
以上