No.119 【 『至誠天に通ず』を地で行く友人Aさん 】
2022.01.12
彼の人柄は?と聞かれたら、私はこう答える。
「『至誠天に通ず』の姿勢で生きている人」
「theビジネスの業界にいながら、現代のラスト・サムライの一人」
家族ぐるみで親しくおつき合いさせて頂いているAさんのことである。
億単位のお金が動く不動産業の経営をしながらも、この数年、彼がお金の為に、真心や誠実さ、正直さを捨てて仕事をした姿を見聞したことがない。
先日も、共通の友人Bさんが、会社経営のことで、大きな悩みを抱えていた。この数年、彼はそのことで、悶々とする日々を過ごしていた。
人生でも経営体験でもAさんの後輩にあたるBさんの人生の岐路に対して、
この1年余り、親身になってアドバイスし、慰め、食事を共にしながら様々なことを聴き、語ってあげている。
先日も、Bさんに大事な決断の時期が近づいていることを知って、仕事の時間を割いて面談してあげた。
その前日、私も気になることがあり、21時過ぎに電話をすると、
「ちょうど、Bさんに現状認識と自己分析をしてもらうための、チェックリストを作っていたところです。
大事な分岐点ですし、私が~したらと言える筋合いの話ではありませんから、Bさんが自分で気づき、
決められるようにと思いまして・・・」
「今夜中には、早矢仕さんにもメールで送っておきますから、気づいたこと、訂正することがあれば、教えて下さい。」
Bさんについての二人の電話は約20分続いた。
翌朝、確かにAさんからのメールが届いていた。
送信時刻は、23時53分。
「電話のあと、まだ2時間半も資料を作っていたんだ・・・。Bさんのためにおそらく彼は4時間半近くを使った?!」
拝見した資料は、Aさんの地獄のような体験から掴んだ活きた智恵に溢れ、非常に冷静・客観的に会社の現状とBさんを見直せるもの。
経営コンサルタントと名乗っている自分が恥ずかしくなる資料であると同時に、人として、経営者として尊敬の念が思わず湧き出る内容であった。
「Aさんは、どんな時でも、大切な人のためには、手を抜かないな~。」「すごいわ、やっぱり!」
メールの資料を読み込みながら1時間の個人レッスンを受けたような気がした。
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昨年の11月10日配信の冒頭で
先日、友人経営者のAさんに、奇跡のようなうれしい出来ごとが起こりました。
この数年彼の近くで「地獄の一丁目に佇むような苦心」を見て、感じてきただけに、
その問題・悩みが解決したとの電話を彼から頂いて、思わず涙がこぼれてしまいました。
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とご紹介したが、このAさんのことである。
利他の心で、誠心を尽くすAさんには、神仏が良き運とご縁を与えて下さるのだろう。
約2300年前に書かれた『孟子』に出典が見られる言葉であり、吉田松陰が座右の銘とした、
『至誠天に通ず』は、この世の真理の一つなのだろうとAさんのありようを拝見していて教えられた。
以上