No.105【 これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。 】
2021.09.15
◆今回のオリンピック・パラリンピックで度々感じたベスト2
1. 感謝の心
どの選手も、参加できたこと、開催してもらえたこと、競技ができること、そして、ご家族やサポートチーム、ファン、たくさんの人々に支えて頂いたことに感謝のコメントをする選手がほとんど。
メダルの獲得、勝ち負けのコメントが多かったこれまでの大会とは大きな違いを感じた。
これもコロナ禍がもたらしたプラスの恩恵。
あたりまえのことが、どんなに「有り難い」か?を思い出すことができた。
2. 「楽しかった」と言った選手が多かった。
スケートボードやBMXレーシングなどのように10代の選手が多い競技以外でも、柔道、体操、水泳、マラソンなど日本のお家芸と言われる競技のベテラン選手でも、競技終了後、「楽しかったです!」とインタビューに答える選手が多かった。
どっぷり昭和世代の私は、オリンピック・メダルとなると、1964年の第1回東京オリンピック。東洋の魔女と呼ばれたバレーボール女子の猛特訓。
彼女たちは、「苦しかった、逃げ出したかった」とは言ったが、「楽しかった」とは誰も言わなかった。
さらに、この東京の男子マラソンで銅メダルを獲得したマラソンの円谷幸吉選手。
その後の、メキシコ大会の前に、メダル獲得への責任感と国民の期待の重荷に耐えかねて、自ら命を絶ったことを思い出す。
当時は、科学的根拠のはっきりしない理不尽なハードワークを、厳しい指導者の下、ひたすらど根性でこなしてきた世代。
その時代とは、明らかに、アスリートの価値観が変わってきたのを痛感した。
これも、世の中が豊かになり、また、「日本のために」の前に「自分らしく・・・」という義務や責任より、個人の自由が拡大してきた証と感じた次第。
これについては、すばらしい面もあるけど、失くしたものも多いんじゃないかな~とも思っている。(これについては、そのうち別稿で述べてみたい)
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◆さて、これを仕事に置き換えてみたら
1. あなたは今日仕事があることに、どのくらい「感謝の心」を持てていますか?
「イヤイヤやっている」
「やらねばならない(義務)でやっている」
「なんとなく、マンネリでやっている」
少なくとも、こうした気持ちでやっているとしたら、「感謝の心」からは、遠い仕事になっている可能性が高いでしょう。
2. あなたは今の仕事を「楽しい」と思ってやれていますか?
「マネジメントの父」と呼ばれ、経営学の第一人者として知られるピーター・ドラッカーの『マネジメント』にも登場する有名な石工の話がある。
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ある建築現場で、何をしているのかを聞かれた三人の石工のうち、
「一人目の男は『これで食べている』と答えた。
二人目は手を休めずに『腕のいい石工の仕事をしている』と答えた。
三人目は目を輝かせて『国で一番の教会を建てている』と答えた。」
三人目の石工は、感謝と誇りを持って、今日の仕事をしているでしょうね!
私はこれを「一人目は作業。二人目はマンネリの労働。三人目は喜働(きどう)。」と捉え、研修でもよくこの話をする。
今のあなたの仕事は、「作業ですか?労働ですか?それとも喜働でしょうか?」
◆孔子の言葉
これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。『論語』
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さあ、今日も一日が始まります。
せっかく仕事をするなら、「喜働」を目指して、明るく、笑顔でやってみませんか!
以上