No.93【あなたに”SATORI”(悟り)はありますか?】
2021.05.19
さて、今回は、
2021年5月15日の日経新聞「30年後、その会社はあるか」(梶原誠氏)の記事
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71899130U1A510C2TCR000/
に触発されて書いてみる。
この記事が目に止まったのは、「30年後・・・」のフレーズが、小生が社会人になった頃にベストセラーだった「会社の寿命は30年説」を想起させたからだ。
参考:『会社の寿命―盛者必衰の理』 (新潮文庫) 文庫
この梶原氏のコメントは、
カリスマ投資家のバフェット氏が、5月1日に彼の会社が開いたオンラインでの株主総会で「30年後、何社が残っていると思いますか?」と発言し、米ハイテク企業の巨人たちでも将来を約束されていないと警告した、との話から始まっている。
それに続き、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)など、変革への経営課題を先送りした事例として、「電子商取引の導入が遅れたアパレル大手のレナウンが市場から退場を強いられた」ことをあげている。
そして、彼はこの数年の逆境下でも、時価総額順位をあげた企業事例から、危機でも成長する企業の条件を「SATORI」として整理している。
【意味 :代表的な企業】
Society/社会の要請に応える力 :エムスリー
Agility/俊敏・「朝令暮改」で新たなことに挑戦する勇気:佐川ホールディングス
Technology/技術・他社との差別化につながる技術力 :レーザーテック
Overseas/海外・海外市場への挑戦、展開 :シマノ
Resilience/復元・逆風を跳ね返す力 :ユニ・チャーム
Integration/融合・コロナ後の新たな経営環境に合わせたM&A :日本電産
上記の表の下には、【日本企業は激変におびえている】とある。
さらに、米 アリックス・パートナーズの世界の企業幹部への調査結果を取り上げ、
「ディスラプション=破壊的な経営環境の変化」を乗り切る自信が大いにある」との
回答比率を示している。
中国 50%
米国 48%
カナダ 38%
英国 36%
ドイツ 35%
フランス 35%
スイス 33%
イタリア 32%
日本 24%
*日本は米国の半分。脅威と捉える経営者は31%と主要国最大。
失敗を恐れてリスクを取れない風土が肝心な局面で表れている。
◆あなたの会社、職場、あなた自身にあてはめて見たら?
「失敗を恐れてリスクを取れない風土が肝心な局面で表れている。」
これは、この10年ほど、研修を担当する中で痛感する参加者個人の傾向でもある。
管理職(部長、課長クラス)でさえその傾向が強い。
時には、取締役以上や、歴史のある会社のトップなどでさえ、失敗を恐れ、
現状維持、前例主義の傾向が強いことを実感するもある。
なでしこジャパンをワールドカップ優勝に導いた佐々木則夫前監督は、
「成功の反対は失敗ではない。挑戦しないことだ。」と言い、
発明王エジソンは、
「私は失敗し続けてきた。しかし、99の失敗があっても、成功するまで諦めなかったら1つの成功が得られる。」
との意味の言葉を残している。
さて、あなたの会社、職場、あなた自身は、如何だろうか?
◇失敗を恐れてリスクを取れない派?
◇朝令暮改を恐れず、果敢に挑戦する派?
いずれだろうか?
このマインドセット(基本的な心の持ち方・価値観)のありようが、巨大企業が30年後なら、中小企業やその社員の場合、1〜3年先を決めると言っても過言でない時代が「100年に一度の大変革期」の“今の時代”ではないだろうか?
以上