No.50【恩送り】
2019.07.31
『毎日が楽しくなる17の物語』~ようこそ「心の三ツ星レストラン」へ~
志賀内泰弘著: PHP出版
からのご紹介。
著者の志賀内氏は、「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動を展開している方。
「プチ紳士・プチ淑女」とは、小さな親切をする人のことだ。
この本の一節から・・・
◆ある雨の日に
若い女性Aさんが、仕事帰りに夕立に遭い、お店の下で雨宿り。
そこに傘をさしたおじさんが通りかかり、片手に持った
もう一本の傘を差しだしながら、彼女にこう言う。
「この傘あげるわ。骨一本折れているし。」
さらに
「どうせ、捨てようと思っていた傘だ、少しの間でも君の役に立つなら
この傘も喜ぶよ。返すなんて面倒なことはしなくていいから。」
そう言うと、おじさんは照れくさそうに去って行った。
彼女は、この行為を素直に受けとめた。
翌日、彼女は骨の折れた傘を200円で修理してきた。
おじさんの優しさのこもった傘を、いつか自分と同じように困っている人に
差し上げるために・・・
◆恩送り
人からしてもらった恩を、その人に返さずに順繰りに回していくことを
「恩送り」と呼ぶそうだ。
この話を読んで、永六輔さんの「生きているということは」を思い出した。
「生きているということは 誰かに借りをつくること
生きていくということは その借りを返していくこと
誰かに借りたら 誰かに返そう
誰かにそうしてもらったように 誰かにそうしてあげよう」
今日があるのも、数多くの人のお力添えや支え、教えを頂いたおかげ。
ほんの少しでも、それを周囲の人に、「恩送り」できる人生で
ありたいもの。
そんな行為が社会にも少しずつ広がって行けば、
世の中に優しい心が広がっていく。
そんな日々の自分でありたいものですね~。