No.43【変えられるものと変えられないもの】
2019.06.12
◆研修の中で
参加者が職場実践した事例をもとに、
教訓の整理、問題解決のしかたをテーマとして扱うことがある。
真剣に実践をした人ほど、具体的な悩み、うまく行かなかったケースを出してくる。
・挨拶を続けているけど、相手が挨拶を返してくれない。
・3Sを率先垂範しているけど、なかなかメンバーが協力してくれない。
・上司が差別をする人で、自分にはつらくあたってくる。
・若手の部下が自分から仕事を覚えようとしない。・・・など。
◆「変えられるもの」と「変えられないもの」
そんな時は、まず、「変えられるもの」と「変えられないもの」を
整理するように助言させて頂いている。
◆「変えられるもの」とは
1.自分の受け取り方(モノの見方や考え方・価値観)
その現実をどのように受けとめるかの選択は常に自分が持っている。
上記の「差別をしてくる上司」の場合、
その上司の人間性や行動を変えることは、残念ながらできないが、
反面教師にして、「部下に対して、してはいけないことを教えてくれる人」と
受けとめることは自分の選択で可能である。
2.自分の行動・態度
「人は人を変えることはできない。しかし、自分の行動や態度を変え、
相手が変わるきっかけ(刺激)や環境を提供することはできる。」
職場では、リーダーの言動は、部下・メンバーにとって大きな環境要因。
「人は環境の動物」
環境の刺激を受け続けることによって、
自ら変わる可能性を高めることはできる。
◆「変えられないもの」とは
他人のこと、大きな環境のこと、病や死別といったこの世でどうしようもなく
避けられないこと・・・。
◆「変えられるもの」と「変えられないもの」識別する知恵
人は時として、「変えられないもの」を変えようとして、
悩みの淵に迷い込む。
そんな時、「変えられるもの」と「変えられないもの」を
客観的に分類してみる知恵が大切だろう。
そして、
「変えられるもの」にエネルギーを集中する。
「変えられないもの」は、諦め、受け入れる。
◆ニーバーの祈りの言葉
神よ
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(ラインホールド・ニーバー)
注)ラインホールド・ニーバー(1892-1971)は、アメリカの神学者、
倫理学者。アメリカ合衆国の大統領付き牧師を勤めたこともあった。