コラム『DMP徒然草』 書籍情報のご案内
DMP徒然草

No.30【ストッパーをはずす】

2019.02.27

◆あるクリエーターの話

 

彼は、朝9時に仕事場に来て、朝の4時に帰宅する。

その生活がほぼ毎日続く。

 

そのうち、食事にかける時間は15分。

2食分のお弁当を持ってきて、

昼に半分食べて、お腹が減ったら、

もう半分食べる。

あとはひたすら仕事。

 

しかも、その仕事を始めてから、

二十数年、風邪はもちろん、あらゆる病気に

かかったことがない。

お正月も2日から仕事場に来て、

普通に仕事する。

 

ジブリの宮崎駿さんの現役時代の話。

数々のすばらしい宮崎作品は、

こうした日々の生活から生まれた。

 

◆手塚治虫さん

 

彼は生涯でマンガ原稿を15万枚描いた。

1冊200ページとして、

750冊分のマンガを描いたことになる。

 

本当にほとんど眠らないで、

ずーっとマンガを描いていたそうだ。

 

先の宮崎さん同様 天才的な仕事を残した人は、

普通の人が考える自分の限界の壁を設けていない人かもしれない。

 

 

◆DMPの研修にて

 

「初日は、こんな短時間でこれだけの問題に解答をしろなんて、

 無茶なことを言われると思っていましたが、

 本気になったら、結構時間内にできるものですね」

 

「人前で話すことが、すごく苦手だった私が、

 こんなに大きな声で発言できるようになって自信がつきました」

 

よく聞く参加者の声。

 

自分の枠を広げられた喜びがこもっている。

 

 

◆ストッパー

 

人は、日常、自分の中に無意識に「ここまでが今の自分の限界」

といったストッパーをかけている。

 

実際、脳は、筋力でも身体が耐えられないほどの力を加えないために、

ストッパーをかけているそうだ。

 

それが、「火事場の馬鹿力」の話にあるように、

緊急時には、ストッパーが外れて思わぬ力がでる。

 

仕事のストッパーの多くは、通常、自分の経験則からかけていることが多い。

 

新しいものを生み出すことは、経験していないものを生み出すのだから、

経験則に縛られていては、先に進めない。

 

何かを打開したいと思う時は、自分の中のストッパーを意識的にはずしてみる。

無理かもしれないと思えることをやり続けてみることで、

新しい局面がひらかれ、可能性が広がっていく。

 

意識的にそれまでの自分のバランスを壊してでも、前に進んでいく。

時々そんなことをすることが、新しい自分の発見や成長につながる。

なにより、「達成の喜びと新たな自信」が、そのご褒美として、与えられる。

 

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