コラム『DMP徒然草』 書籍情報のご案内
DMP徒然草

No.26【迷った時は・・・】

2019.01.30

◆ある会社幹部のSさんから電話

 

Sさんから「ちょっと時間をとって頂けませんか?」

と連絡を頂いた。

 

お目にかかってお話を聴いてみると・・・

 

「この一ヶ月ぐらい、仕事のことに始まり様々なことに悩んで、

 そのうち、何をするにしても決断ができなくなってきてしまった。

 些細なことでも、迷って決断できないのです・・・」

 

50歳代を前に、仕事のこと、家庭のこと、自分のこれからの生き方のこと・・・

迷いの道に入ってしまい、モヤモヤ感の糸が絡まってしまっている感じ。

 

週末も、出かけたりする気が起こらず、家でゴロゴロ過ごしているようで、

気分転換も上手にできない様子。

 

自分も何度か、そんな心境になる時期を超えてきたから、

Sさんの気持ちがよく分かる気がした。

 

 

◆歩く

 

「毎日、歩いてみたらどうですか?」

とSさんにアドバイスした。

 

「迷ったら、歩きなさい」

これは、現代の生き仏と言われた、

二千日回峰行者 故酒井雄哉大阿闍梨さんの教えでもある。

 

以前このコラムで紹介した、「散歩随想」も

小生が大きな迷いの中にある時の体験から。

 

迷っていると人は止まる。

迷いから抜け出るために、座禅でもして、何かを発見する、

悟りのような心境になれるのは、限られた達人じゃないかと思う。

 

小生のような凡人は、止まると、思考も停止してしまう。

 

尊敬するY社長が教えて下さった。

「歩くという字は、『少し止まる』と書きますよね。」

 

完全に止まるのではなく、走りすぎるのでもない。

ゆっくり動いてみる。

 

歩いていると、迷いや悩みの絡まった糸が解けてきて、

行き場のなかったジグソーパズルの一片が、

「カチッ」とハマるような瞬間が訪れることがある。

 

Sさんにお伝えした。

「若き頃、大師匠から『大迷 即 大悟』と教えてもらいました。

 すごく悩み、迷った分だけ、大きく気づけますよ!」

 

その後、Sさんは、どうされているだろうか・・・

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