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DMP徒然草

No.129 【 人が育ち、変化対応できる風土になる企業の特性 】

2022.04.06

長年、幾多の企業を拝見してきて、「人が育ちやすい風土」と「なかなか育たない会社の風土」は

明らかにあると痛感する。

 

「人が育ちやすい風土」を持っている会社には、次のような特性がある。

 

1,経営理念に関する教育が柱にあり、継続的・計画的に人材育成がされている。

経営理念や社是・社訓、基本行動指針(クレド)などの人材育成の土台(柱)になる部分は、

様々な機会を通じて、繰り返し、浸透・習慣化する仕組みを作っている。

また、会社全体の人材育成の方針や育成計画の骨子がちゃんとある。

こんな会社の上司は、「○○さんの育成課題は何ですか?」と質問すると「○○です」と

すぐ答えが返ってくる人が多い。

一方で、不良の発生やクレーム、業績の悪化など、なにかの問題があった時に、人の教育・育成に問題意識を持つ程度で、

平時の時には、ほとんどOJT(日常の業務を通じての教育)らしいことはされておらず、

思いつきや、上司の気分で場当たり的にしか行っていない企業が多い。

 

美味しい野菜やお米ができる土壌を作るには、膨大な時間と手間暇がかかる。

しかし、1年放置しただけで、土壌からは、良い作物ができなくなってしまう。

良い習慣を身につけるのは至難の業だが、悪い習慣はすぐに身につくのと同様である。

教育の要諦は、「繰り返し繰り返しの継続」「手間暇かける」しかないのだ。

 

2,人こそ、最大の財産と捉え、情熱と執念を持って、教育を考え続ける社長や

その想いを共にする担当者がいること

DMPを導入頂いて、それが実務に連動し、活かされている企業には、

「人材育成、教育こそ、最重要課題の一つ」と捉え、情熱を持って、考えやり続ける

リーダーが必ずいる。

一方で、「忙しいから」「売上が下がったから」などの理由でやらなくなるところは、

教育に投資しても活かされない。

 

3,「教育は、コストでなく、会社の含み資産を増やす投資である」と考えている。

バブル崩壊の後、リーマンショックの後など、「不景気になったから、教育コストを

削減する」といった企業で、それを契機に、業績が良くなったり、伸びた企業を知らない。

「教育をやめたら、売上があがり、利益が増えるのか?」と考えれば、わかることなのに!

教育をコストの一つと考える、ナンセンスな発想である。

こんな体験がある。

リーマンショックの時、当時担当させて頂いていたトヨタの現場リーダーの研修は、

コストに厳しいトヨタだけに、予算が削られ、中止になるかと思った。

しかし、当時お手伝いしていた3工場とも、若干研修回数が減ったものの、例年通り実施された。

担当者のお一人が言った。

「参加者が危機感を持って学ぶし、時間も取りやすいから、教育のチャンスですよね」

こんな担当者がいる会社は伸びる。

 

4,外部での学びを日常のOJTの中で活かせるよう、繰り返し指導する上司がいること

外部研修に出したら、それが実践に活かせるよう職場上司がフォローする。

一方で、外部研修に出しても「勉強になりました」「いい体験だった」で終わらせてしまう会社も多い。

 

5,何より、後ろ姿で手本を示せる 上司・リーダーが多いこと

「子は親の後ろ姿を見て育つ」法則。

日々の上司・リーダーの後ろ姿の実践を見せ続ける以上の教育はない。

子供も部下も「言うようには育たない。親がやるように育つ。」である。

 

6,知識・スキル教育と、人間力教育のバランスが取れていること

教育・研修というと、知識やスキルの習得だけと考え、人間力向上の研修は疎かになっている企業が多い。

「鬼と金棒」。鬼=人間力。金棒=知識やスキル。

どちらもバランスよく育てないと、鬼は小さいのに、金棒を振り回すような人は、組織に害を与えることさえ多い。

多くの企業が知識・スキル教育さえしたら、人が育つと勘違いしている。

 

7,「人は人の中でしか磨かれない」

5)の人間力の向上は、座学だけでは習得などできない。

人との交わりの中で、日常の泥臭い実践の中で、体得するしかない。

わかっている上司や担当者は、人の中で磨かれる環境を与えている。

 

8,「最大の教育は、自分で考え、やる気に火をつけられる自主性・自発性を

育てること」がわかっている

 

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ちなみに、トヨタ自動車はこれらの項目を実践し続けてきた会社である。

創業以来85年いい時も、苦しい時も、「人材育成」をやり続けてきたからこそ、

今日がある会社。

「人材こそ経営の要であり、企業の盛衰を決めるのは人材である」豊田英二

 

100年に一度の大変革期、そして、コロナ不況の今。

「ピンチをチャンス」に、今こそ人材育成を強化する。

変化が明確に読めない中でも、「社員自らが現場で考え、自ら行動する」。

そんな自律型自走組織への変革に挑戦する組織こそが、強くなり、生き残る。

 

以上

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