No.124 【 反発を恐れず、公のために決断するのがリーダー 】
2022.02.16
歯に衣着せぬ発言で、物議を醸したことが多い石原慎太郎氏。
ただ、政治家というリーダーのありようでは、小生は大変尊敬している。
印象に残っている彼の事績をいくつかあげると・・・
【その1】
東京都知事時代 東日本大震災被災地のがれき受け入れに
多くの地方自治体が及び腰だった時、
“都民が反対している”との声に
「放射能汚染を測ったら、何でもないから持って来るんだ。黙れと言えばいい。」
【その2】
国ができないなら、東京都でディーゼル車排ガス規制をやる。
ほとんどの大手物流会社の車両は都内を通るから、
東京がやったら大手物流会社はせざるを得ないだろう。
と国に先駆けて行う。
【その3】
中国の領有権主張に対して、尖閣列島を東京都が購入する決断をする。
→その後、当時の民主党政権が、国での保有を決定。
◆【民主主義の難しさ】
民主主義は、基本、多数決原理で決定されることが多い。
それ故に、目先のことしか考えない世論や、根拠なき巷の雰囲気に影響される
「衆愚政治」になりかねない危険もある。
叩かれることを恐れて、耳ざわりの良い言動をするリーダー、コンセンサスを得ることが目的?
と思わせるような決断をするリーダーがこのところ多いと感じる。
(このコロナ禍における政治的決断も多いかな〜)
先にあげた石原氏のリーダーとしての決断は、それらとは違う。
公のために、反発を恐れず、きっぱり決断する。
歴史に学べば、
かつてソ連を含めた全面講和を主張する、時の東大総長を
はじめとするインテリ達を「不逞の輩」と一蹴りし、
サンフランシスコ講和条約を締結した故吉田茂首相。
学生を中心に日本中を騒がせた安保闘争の中でも、
日米安保条約を締結した岸信介首相。
ローマを外敵から守るために、ルビコン川を渡ったユリウス・カエサル。
(今でもルビコン川を渡るとは、「後戻りのきかない道へと決断を下すこと
を意味する、ことわざになっている。)
世論の反撃も覚悟の上で決断する胆力こそ、
リーダーの欠かすことのできない条件といえよう。
未来への展望を持たず、その場のコンセンサスに
身を寄せるリーダーの下では組織は滅亡する。
以上