No.122 【 周りに協力者・応援者が集まる人は・・・ 】
2022.02.02
◆【自分の弱みを隠さず、さらせる勇気のある人】
元DeNA社長の守安 功氏。
東大大学院を卒業後、日本オラクルを経て、システムエンジニアとしてDeNAに入社。ソーシャルゲームサービス「モバゲータウン(現:Mobage)」、ネットオークションサービス「モバオク」などを立ち上げ、創業者である南場智子氏の後任として“2代目”社長を努めた人物。
その守安氏(当時48歳)が、その半分の年令の24歳の小川嶺氏が率いる(株)タイミーに取締役COO(最高執行責任者)として入社した。
(株)タイミー(Timee:https://timee.co.jp/)は「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスで急成長している会社。
自分の息子のような年代の部下になる守安氏もすごいが、自社より大きな規模・成功を収めた倍も年齢の違う先輩経営者を迎え入れた小川社長もまたすごい。
小川社長に、
・志やビジョンを達成するためにはあらゆる方法を考える発想力
・自分の足りない点を客観視する力
・人の力を上手に活かそうとする発想
そして、何より、「この若者の為に協力しよう」と大先輩に思わせる「人間的な魅力」があるからだろう。
経営の神様 松下幸之助翁も、京セラの創業者稲盛氏も、大きな成功を収めた名経営者たちは、いずれも年上の先輩経営者の力を借りることが上手な人たちである。
松下幸之助翁は、リーダーにとって最も大事な素質は、「かわいげである」と言っている。
「かわいげ」とは、「素直さ」「正直さ」「知りません、教えて下さいという謙虚さ」
「飾らない等身大の自分を見せられる勇気」などによって、醸し出されるものではないかと思っている。
◆入社時の自己紹介で
守安氏が入社して、社員を前に自己紹介の時、次のように言ったそうだ。
「私は実績がある。ただ、 人の気持はわからないかもしれない・・・。」
この発言を聞いた社員さん(ほとんどが守安氏より10歳以上年下)は、「守安さんは、こういう人なんだ」と認識し、かえって接しやすくなったという。
SEなど知的労働や技術畑で長年職人的に一つの領域を深堀りしてきたような人には、「PCや設備・機械とは会話できても、人とのコミュニケーションは苦手。」「知識が自分より低い人には、なんでそんなことがわからないの?」と相手が馬鹿にされたと思ってしまうような言動を気づかないでとってしてしまう」タイプの人が多いものだ。
守安氏は、自分の強みと弱みを客観的に把握していて、自分の弱点を最初にオープンにした。
自分の力と実績に本当の自信があるからこそ、初対面の年下の若手社員を前に、自分の弱みをオープンにできたのだろう。
◆多くの「素の自分に自信のない人」は、この逆をやる。
・自分の実績を過大に伝えたり、自慢したり、言外に威張ったりする。
・威圧的な言動・雰囲気を出すことが多い。
・自分を大きく見せようとする言動(自慢話、動揺を見せないように感情をあまり出さない)が多い。
・弱みを見せないように、強がり、理論武装をして正当化(言い訳)をする。
・人の話をよく聞かないまま、饒舌に話す。
など。
(筆者注:まるで30代~40歳前半の小生の言動を述べているようだ・・・反省・・・汗!)
◆「ごめんなさい」と素直にお詫びする
できそうで、できないこと。
これには、自分の非を認める素直さ、そして、勇気がいる。
これができる人からは、人は離れず、協力者・応援者が集まる。
反対に、過ちを犯しても「ごめんなさい」を言えない人からは、やがて人が離れていく。
それがわからず、多くの人が、この逆の言動をしてしまう。
・言い訳上手の正当化グセ、時には、平気でウソをつく。
・自己防衛の為の正論(屁理屈)を展開する。
→私は悪くない。こうなったのは・・・あの人が・・・あの部署が・・・。
・人の非難はしても、相手の立場で自分を見られない自己中心で、
自分が悪かったとは気づこうとしない、認めない。
格好をつけないで、等身大の自分を見せ、「素直に、謙虚に、感謝とお詫びの心」を持っている人。その周りには、協力者・応援者が集まる。そうでない人からは人が離れていく。
以上