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DMP徒然草

No.83【 企業文化は戦略に勝る 】

2021.02.24

【A社 S様(女性)より】

初めて、人材育成についてセミナーを受講させていただき、

色々な気づきがあり、人材育成は難しいことや思い通りにいかないことも

ございますが、だからこその遣り甲斐を改めて感じることができました。

 

 弊社は、2014年に設立した技術系のベンチャーで、

最初は研究開発主体でしたが、そこから事業化に向けて事業領域を広げながら拡大しているフェーズにございます。そのため、社員数もここ数年(2~3年)で倍増しており、3年前は20名程度の社員数が今は150名を超えて参りました。

 

 新卒の社員は1~2名程しかおらず、殆どの社員が大企業からの転職です。

 そのため、早矢仕先生のおっしゃる基本の型・技を前職で身に着けている社員が多く、弊社では、応用、独創の部分を期待して入社していただいています。

 

 ただ、社員も多種多様なバックグラウンドや経験を持つ者同士の集まりですので、前職でのカラーが色濃く残っており、上手く弊社のやり方やベンチャーでの基本の型・技に合わせて行うことが出来ず、大なり小なり問題が生じている現状がございます。

 そこで中途採用の場合の人材育成について、留意点やアドバイスがございましたら、ご教示頂けますでしょうか。

 

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【小生からの返信 】

 

貴社と類似したお客様のケースで

弊社の長年のお客様であり、弊社顧問の中尾が担当させて頂いている

E社と非常に似たケースと拝察致します。

 

E社は、元々、エプソンの業務用コンピュータの販社から始まり、オフコンからPCへの激変の時代を生き抜き、短期間に、今の業務・業態に変革されてきました。

 

・貴社のように専門度の高い中途入社の方が、年々増えてくる、

 

・仕事の専門性は高くても、組織として共通する価値観や行動指針、業務の仕方など

が前職のものや、社会人になって最初の頃の習慣=標準になっていて、なかなか組織としての共通項が定まらず、個々の力はあっても組織力として、活かしきれない、

 

との課題に取り組まれてきました。

 

E社は、創業以来、社員としての基本的心構え、考え方、行動の基本は、DMPの原理原則を取り入れ、それで、組織風土と森、個人の仕事の根っこを作っていらっしゃいました。

 

この事例を参考に、うかがった貴社の状況から拝察するに、

 

まず、「守=基本」の部分で、譲れないものを明確にすることだと考えます。

 

1)御社の理念やビジョン、そこからくる心構えや考え方 

  の部分(目に見えない)

 

2)1)の実現に向かっての、

  共通する行動・態度の指針(目に見えるもの)

  の明確化。

 

それ以外は、

 

3)個人のやり方や裁量・やり方に任せても当面問題はない

 

ことになります。

 

誤解のないように申し上げますが、

個人の生き方や主張・考え方はプライベートでは、自由で全く構いません。

 

しかし、我社の社員として仕事をする時は、個人の考え方でなく、

我社の理念や、組織ルール、社員としてのありようの行動指針に従ってもらう

必要があります。

 

そこには、「前職ではこうだった。」「まえの会社は・・・」のパターンは邪魔になることが多く、転職に際して、前向きに捨てて頂かないと組織的には困ることになるのです。

(ここが、一番ご苦労するところだと思います)

 

 どうかしたら、前職の出身大手間の派閥ができたりするケースも・・・。

 

また、企業での教育の本質は、

1)2)に基づいて、「顧客価値創造を具現化してくれる人材」を育てることですから、いい意味で企業理念に染め上げることが不可欠になります。

 

これらを中途採用者の教育で考える時、

 

1)中途採用者の育成を考える前に、

  「朱に交われば赤くなる」ですから、

  上層部と彼らの上司の皆さんの1)2)の共有化ができていないと効果はでません。

 

2)「子は親の後ろ姿を見て育つ」法則が働くからです。

  (部下は上司の後ろ姿を見て育つ)

 

3)従って、前述のE社では、

 

    a) 一部上場される前から、役員・幹部の理念やビジョンに基づいた共通認識を

   持てる社内幹部研修を実施されたり、

   新たに取締役候補など迎えたら、弊社のトップクラス(公開クラス)を

   受講させ、前職までの価値観をリセットし、我社の価値観に向かっての

   統一を図る一助とする。

 

    b) 新卒の皆さんは、入社式直後にDMPの宿泊研修を受講させる。

 

   c) a)とb)を先に行い、それが一段落したら、中途採用者のDMP教育をやる。

   具体的には、人数が固まったら(15名程度)、

   E社だけのDMP宿泊研修を開催する。

   (弊社主催の公開クラスではなく、E社だけの企業内研修)

 

 これをE社のK社長は、「ぬかの理論」とおっしゃり、

 上からと下からこねたら、中間の風土(ぬか)はだんだん、

 変わらざるをえない。

 

とのお考えで、DMPを使っての風土づくり教育を継続してやっていらっしゃいました。

 

上記のことから、中途採用者の方だけの教育に着手されるだけでは、

残念ながら、期待する効果は出にくいと思われます。

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上記のやりとりの要旨は、

 

◇その組織で働く一人ひとりの基本的な心構え、思考パターン、
 行動や態度の習慣の総和が、企業文化をつくり出している。
 
◇企業文化とは、いわば森林や草花が育つ土壌や風であり、
 それが悪ければ、どんな良い種子や苗木も育たない。
 
さらに、
◇草木が伸び伸び強く育つためには、その良き土壌の中に、基本という根っこ深く、
 広く張らすことが必要条件である。
 
 
それらの総体が強い企業文化をつくっていく。
 
従って、

 

◇「人材育成とは企業文化の創造他ならない」

 

◇ 短期間にできるものでなく、中長期の視点にたって行わないと成果はでない、

 

とのことである。

 

貴社の「人材育成と企業文化」の現状は如何だろうか?

 

マネジメントの父、ピーター・ドラッカーは言っている

「企業文化は戦略に勝る」

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