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DMP徒然草

No.64【「誰かのために」をさりげなくできる人を目指そう 】

2020.09.16

3年前の夏、8月27日の深夜、母が亡くなった。

医師の確認が、28日になってからだったので、命日は28日。

 

この28日の早朝、前日の経営者セミナーが盛況に無事終わった報告と

お礼を兼ねて、お墓参りに行った。

前から気になっていた、墓石の苔(戒名の中とかが特に手強い)をキレイに

掃除したかったのも行った理由の一つ。

 

車を走らせながら、ふと思った。

 

リアル命日の27日が、石垣で命をなくしてもおかしくなかった

7月13日以後、久しぶりにお客様の前に立つ初の機会、

というのもなんだか

「自分の生まれ変わり『RE:BORN』の記念日みたいで、

 これも必要必然かな~」

 

その帰り道でのできごと。

 

堤防沿いの道路を自宅に向かって走っていた。

 

反対車線は、岐阜市の中心部に出勤する車が次々と通り過ぎる。

我が家はそれとは逆方向。流れはスムーズだった。

 

ところが、分岐がないところなのに、数台の車が停まり、

私の車もその後方でストップ。

 

堤防下の道路で、道幅は大型車同士だと、ギリギリすれ違うことができるぐらいの

道幅。

最初は、なぜ、こんなところで、渋滞が起こるのか?が

自分の車からは、わからなかった。

 

対向車は完全に停まっていて、時々、右にハンドルを切っては一台ずつ、

前進していく。

 

私の車が停止した位置の先頭から2番めに来た時、

反対車線が渋滞していた原因がわかった。

 

反対車線の中央に、「土のう」の袋くらいの大きさの麻袋が一つ落ちている。

 

荷を運んでいたトラックが落としていったのだろう。

重くはなさそうだが、胸に抱えるぐらいの大きさはある。

 

反対車線の先頭は、かわいいピンクの軽自動車に乗った事務職風の若いお嬢さん。

 

運転席の顔が、眉毛があがり、見るからにイライラしている。

 

「誰よ~。こんなところに落としやがって!!・・・」

そんなつぶやきが聞こえてきそうな怒りの表情。

可愛くしたお化粧に不釣り合いな顔。

 

「どうするかな?」と思っていたら、その麻袋を避けて、通過。

次のサラリーマン風の中年男性も同様に通過。

 

次の車はいい雰囲気の初老の男性。穏やかで良きお人柄を感じるお顔の方だった。

 

彼はハザードランプをつけて、車から降りると、その麻袋をひょいと持ち上げ、

堤防脇の側道の草むらに見えるように置くと、待っている後ろの車に向かって

軽く会釈をし、運転席に戻るとスムーズに発進していった。

後続車もスムーズに流れ出す。

 

その麻袋が路上にある限り、反対車線の渋滞はひどくなり、

こちらの流れも遅くなっていただろう。

 

運転しながら、ふっと 昔、大師匠 皆川さんから聞いた話を思い出した。

 

ある運送会社の正門の近くに、角材が落ちていた。

出先から会社に帰ってきたトラック数台がそれを見て、避けて通っていった。

 

次にAさんのトラックが入ってきた。

 

Aさんは、トラックを停め、運転席から降りると、その角材を拾って、

ポーンと荷台に放り込むと、駐車場に向かっていった。

 

これを事務所の窓から、たまたまB社長が見ていた。

 

しばらくして、その年の優秀社員を表彰する全社集会があった。

 

その年の社長賞は、角材を拾ったAさんが選ばれた。

 

Aさんより、業務成果の良かった社員は多くいた中での受賞。

 

B社長は総評で言った。

「Aさんのような社員が多い会社を私は目指しています」

 

という話。

 

少し手間がかかり、面倒くさいことを、

「誰か(仲間)のことを考え、さりげなく行う。」

 

小生の体験からも、そんな社員が多い会社は間違いなく、

いい会社、強い会社である。

 

仕事柄様々な業種の多くの企業を訪問する中で気づいた原則。

 

「床におちているゴミをさりげなく拾ってゴミ箱に捨てる人。」

 

「湯沸室のシンクまわりが汚れていたり、濡れていたら、

 布巾で拭いていく人」がいる職場。

 

その人たちの多くは、

「やってあげている」なんて感じはカラダから出ていない。

いかにも、そうするのが「あたりまえ」のように自然に行っている。

 

こんなところに、その組織の風土の本質が表れる。

 

3S(整理・整頓・清掃)ができていない職場はマイナスの問題点が多く、

その逆もまた真で、3S がしっかりできている職場は雰囲気が良く、

成果をあげている。

 

さりげない行為に、働く人達の「心のありよう」「人としての行動の習慣」が

表れる。

 

「私がやっている」「俺、みんなのために◯◯してあげているよー」

 

良いことをやっているのに、そんな空気をカラダから発する人には、

「やっていない自分たちへの嫌味か?」

「彼の言動は、なんだか鼻につくよねー」

との印象を持たれてしまう。

 

日常の行動習慣に、その人の本質が宿る。

その「行動習慣」が「心のありよう」を形づくる。

 

良き習慣は、感謝に満たされた豊かな心を。

悪しき習慣は、ささくれだったイライラしやすい心を。

 

 

「誰かのために」を「さりげなく、どこでもできる人」を

目指そうではありませんか。

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