コラム『DMP徒然草』 書籍情報のご案内
DMP徒然草

No.154【 人はそれぞれ事情をかかえ・・・ 】

2022.11.30

◆名古屋の駅前の交差点で・・・

17時過ぎに名古屋駅前に行くことがあった。

仕事終わりの人々、学生さん、買い物に来ている人々・・・多くの人で溢れかえっている。

歩行者信号が青になると同時に、駅前の広い道の横断歩道を足早に一斉に渡っていく。

人とぶつからないように歩くのに苦労するほどの人だった。

 

ふと、「無言で歩いていく人たちそれぞれが、心の中にいろんな思いを懐きながら、行き交っているんだろうな~」と思った。

横断歩道を渡り切るわずかな時間の中、その空間に、幾多の思念が行き交っている・・・。

仕事トラブルのこと、会社での人間関係の悩み、子育ての苦労、恋人のこと・・・。

 

そして、以前どこかで読んだ、作家 伊集院 静さんの言葉をふと思い出した。

「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」

 

◆共に生きる人に対して・・・

自分が厳しい現実にぶち当たったり、深い悩みに落ち込んだりすると、「自分だけがどうしてこんなに苦しんだろう」と思ってしまうことがある。

しかし、世の中のほとんどの人が、平然とした表情をしながらも、心の中では、悩みや屈託、悲しみ、などを心の中に抱きながら生きているのが常だろう。

 

表情や行動・態度などの現象的なものだけで、「その人のことがわかる」などと思ってはならない。

誰もが心の中のことを全て開示できるわけではないし、相手のことがわかるわけでもない。

 

共に暮す家族や共に働く会社の仲間、親しい隣人に対して、

「心の奥にきっといろんな事情を抱えながら、一生懸命生きているんだろうな~」

と思える自分でありたいと思う。

 

大切な人の傍らに寄り添うように伴走してあげられる人でありたいと思う。

 

以上

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