コラム『DMP徒然草』 書籍情報のご案内
DMP徒然草

No.149【 タイミングとタイム 】

2022.09.28

◆Bさんの対応

Aさんが、大手企業の役員のBさんに、「△△の件で、Cさん(大手企業の役員)を紹介してくれませんか」とお願いをした。

BさんもCさんも共に超多忙な人。しかし、半日もしないうちに、BさんからAさんに返事があった。

「Cさんに連絡をしました。直接話しができなかったから、要件をお伝えしています。Cさんと話ができたら、またお知らせします。」

Cさんと直接話しができてからの数日後に返事を返すより、即対応した結果をまずは知らせる。

Bさんは言う。

「困ってお願いにきたんだから、早く対応してあげたほうがいいに決まっている。」

 

「頼まれごとは、すぐ手を打つ」Bさんの若いときからの習慣の一つだそうだ。

これが、Bさんに対する周囲からの信頼を築き、今の地位までになれた一つの要因でもある。

 

◆天才営業マンの習慣

若き頃、天才営業マンと言われた人からこんな話を聞いた。

「できない営業は、商談をした後、では来週見積もりをお持ちしますという。1週間あける根拠がさしてあるわけじゃない。私は翌日に見積もりを持っていく。お客様なら、どちらと契約をしたいかは明らかだ。スピードはサービスだから。」

 

何ごとも、「クイック・レスポンスの習慣」の人ある人は、信頼を得る。

仕事柄、懇親会やセミナーなどの幹事役を引き受けることが多い。およそ、返信が早い人は常に早く、遅い人はいつも遅い傾向がある。

食事会などの幹事役を何度かしたことのある人は、思い当たる体験ではないだろうか?

 

◆タイミングとタイム

仕事が早いと評価されるのは、「タイム」(どれだけ時間がかかるか)ではなく、「タイミング」(いつやるのか?)の良さである。

仕事ができない人ほど、先送りにして、タイミングをずらす。「すぐ」でなく、「いつか、そのうち」にする。結果、依頼した相手をイライラさせたり、信頼を得られない。

 

多くの場合、満足度は、待たせた上での高いレベルの業務より、タイミングの早さ・良さが満足度を左右する。

お客様へのクレーム対応でも、まず早い第1次のお詫びやアプローチが重要で、対処のレベルの高さではない。それを逃すとお客様の怒りの感情を炎上させることになる。

 

「タイム」より「タイミング」である。

 

以上

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