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DMP徒然草

No.15【衰退する会社の10の特性~変革を起こせるリーダーのあり方(その3)~】

2018.11.07

前回までに続いて、今回も変革について考えてみよう。

 

「変革を行い発展していく組織」を考える時、

その対極にある「変化に対応できず衰退する組織の特性」について、

考えてみるのは大いに参考になるのではないだろうか。

 

私がこれまでに体験してきた企業事例を整理すると、

衰退する組織には、以下のような共通項があるように思う。

 

 

◆衰退する会社の10の特性 (VS 存続・発展する会社の特性)

 

 1)企業や人の強さとは、柔軟な「変化対応力」。衰退する会社にはこれがない。

    進化論のダーウィンの言葉

   「生き残る種とは、最も強いものではない。

    最も知的なものではない。それは、変化に最もよく適応したものである」

    の言葉にある通り。

 

    ◇衰退する会社は、従来の市場、やり方、価値提供にこだわり、

     時に「価値がわからないお客が悪い」とばかりに、柔軟に対応しない。

 

 

 2)社員に時代の変化を察知する習慣がない。

    → 新聞、業界紙、ビジネス書を読む習慣がない

    → 危機感がなく、夢や希望も持たない

 

 

 3)現状維持の意識と言動。

    現状維持は、衰退なり、

    放っておくと、人は、ラクがいい、今までのやり方がいい・・・

    と、易きにながれる。

    変えないことが最大のリスク要因であることが、わかっていない。

 

 

 4)マンネリズムの蔓延~改善・変革意識の低さ。

    傾向として、歴史のある会社ほど、マンネリズムになりやすい。

    例えば、仮に営業個々の力が低くても、先輩たちが築き上げてきた長年の

    信頼と実績でそこそこは売れてしまうから、現状維持で良いと考える。

    変革の必要性に気づいてからでは、間に合わなかったケースも。

 

    生き残りには、日々の改善はあたりまえ、思い切った改革が必要。

 

    千年の都、京都の歴史は、革新性に裏打ちされている。

    京セラ、ワコール、サントリーなどの企業風土からも明らかである。

 

 

 5)社員が、責任や義務を果たす前に、権利の主張をする。

 

 

 6)会社依存症の人が多い VS 自律と自立。

    ◇ 会社が何をしてくれるか? VS 会社に対して何ができるか? 

     (やらされる仕事)      (自分で決めてやる仕事)

 

    ◇「自分の城は、自分で守れ!」 トヨタ自動車 元社長 石田退三

 

 

 7)利己主義 VS 利他主義。

    自分の利己的言動(損得)だけで動く。

      VS 自分のことを後回しにしてでも、

        お客様の為、チームの為、仲間の為、会社の為に(利他)に動く。

 

 

 8)コミュニケーションやチームワークの悪さ。

     ・風通しが悪い。

      (会議やミーティングが不活性、ホウレンソウが悪い)

     ・社員同士が表面的なつきあいで、本音、本気で語りあわない。

     ・議論が内向き(社内の中での争い)で、お客様に目が向いていない。

     ・社員同士の思いやりや助け合い、感謝の言動が少ない。

     ・共に希望や夢(未来)を語らない。

 

 

  9)目標必達への執念がない → できない理由を探し、行動が遅い・しない。

   言い訳体質、評論家体質の人が多い

 

    「敗者は努力に逃げ込み、成果に対して厳しくない」

             VS

    何がなんでもやるとの執念、知恵を絞り、やれる理由を創り出す、

    当事者意識を持った言動、結果に責任を持つ。

 

 

 10)会社の衰退、倒産の本質原因は、内部にあり。

 

    ◇理念や社是に基づく、継続的な人材育成を執念深く、

     根気よくやり続ける情熱がない。

 

    ◇社内の摩擦を恐れている。

      →摩擦を恐れると「新しいことにチャレンジし、古い制度や仕組みを

      壊そう」という組織風土が失われていく。

 

      言うべきことがあっても、影で非難、陰口を言う

         VS 言うべきこと、自分の主張は 正々堂々と主張する

 

 

◆人材だけが、未来を創造する

 

   「人は石垣 人は城」 (武田信玄)

   「人材こそ経営の要であり、企業の盛衰を決めるのは人材である」

                            (豊田英二)

   の言葉にあるように、

   戦略や計画がどんなにすばらしくても、実行するの各部署のリーダーと

   現場の一人ひとり、組織の人間力の総和が、組織の死活を左右する。

 

  「変化こそ常態」と捉え、改善や改革に常にチャレンジできる、

   人材と風土をつくり続ける組織が生き残る。

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